✔︎ 本記事の内容
・シンガポール航空で帰国
この旅について

2019年2月、10日間で東南アジアをカンボジアからシンガポールまで南下する一人旅に出ました。予算は8万円くらいです。
今回はシンガポールを散歩し、その後シンガポール航空を利用して帰国します。
シンガポールを散歩
8時前の起床。昨晩の喧騒が嘘だったかのように、まだ辺りは静まりかえっている。

今朝は至ってシンプルな洋風の朝ごはん。トーストとゆで卵,オレンジジュース。どこでも通用するこういう味に触れてしまうと、日常が近づきつつあることを思わずにはいられない。宿に荷物を預けて、マリーナベイを目指して散歩に出かける。

シンガポールはディストピア感のある朝を迎えていた。シンガポールはこれまで旅してきた街と違ってそもそもが綺麗な街で、背後には東京より高く見える高層ビル群が聳える。そして今日は日曜日だからか、道を行く人が見当たらない。そんなことを考えながらいると、マリーナベイサンズが見えてきた。

マリーナベイサンズとマーライオンを見たくて、ちょっと歩いてマーライオンパークにもやってきた。けれどマーライオンは掃除中で柵に覆われている。5月くらいまで見られないのだとか。宿に戻り荷物をピックアップ。地下鉄に乗ってリトルインディアへ。
地下鉄に揺られること4駅、リトルインディアへ。この近くにムスタファセンターというショッピングセンターがある。インドの匂いがするドンキホーテみたいなところ。物価高めのシンガポールにありながらも、ドンキホーテ並みかそれ以上の安さを誇るありがたいお店だった。

お腹も空いてきたし、喉も渇いていたから目の前にあったインド料理店に入店。東南アジアを南下してきたにもかかわらず、最後の食事はインド料理。たまにその名前を聞くビリヤニを初体験。少し辛いけれど、ヨーグルトのような酸っぱいソースをかけるといくらでも食べられるインド式チャーハン。見た目以上にボリューミーだったが、食べても食べても体がだるくならない不思議な料理だった。
さて、これまで過ごしてきた熱帯の気候ともお別れが迫ってきた。赤道直下の真昼間だからか、日光がほぼ真上から降り注ぐ。影が見たこともないくらい小さい。小学生のときに勉強を諦めた理科を思い出しながら、暑い中とぼとぼ歩いてMRTの駅へ。さようなら熱帯。さようなら東南アジア。
チャンギ空港まで30分ほどの地下鉄の旅。こんなに乗っても0.93ドル(70円くらい)。物価は高いけれども交通費は安い国だった。
シンガポール航空で帰国

チャンギ空港の評判の良さは聞いていたが、本当に飽きることのない空間だった。熱帯の蝶が飛び交うバタフライガーデンを訪れてみたり、無料の映画館を楽しんだりして出発までの時間を潰す。

17時前に機内に入ったものの、機材トラブルがあるとのこと。出発が1時間少し遅れた。もともと羽田の終電には間に合わないフライトだから、遅れても構わないし、映画を見る時間ができてむしろありがたいくらい。
そしていざ離陸。南洋に沈みゆく陽光が差し込んでくる。次に太陽を拝むときはこんなに暑い国ではないのだろうなと思っているとあっという間に闇の中へ。遅れを回復するために、全速力で日本を目指して飛んでいるとアナウンスが入る。

少し落ち着いたところで機内食。Japanese style, pleaseといって出てきたのは牛丼。牛丼入っている玉ねぎとごぼうの懐かしさに泣きそうになる。行きと同じくドリンクはシンガポールスリングを。旅立ちの気分を思い出す。味と記憶は案外繋がっているものなのかも。
コードブルーの続きを見て、本を読んで、この日記を書いて。もう一本映画を見ようとするも途中で就寝。沖縄のあたりだったと思う。行きと同じく乱気流が激しかったが眠ってしまった。気がつくともう伊豆大島の近く。あと30分で着陸と言っている。終電もないことだし、旅の余韻にも浸りたいし、何時に着こうが構わない。
明かりがちらほら見えると、あっという間に羽田に着陸した。
羽田に到着

飛行機を降りてボーディングブリッジへ。寒い。寒すぎる。冬の雨は辛い。
寒さに慄きながらも入国して荷物が出てくるのを待って、到着ロビーに出られたのは2時半を回る頃だったと思う。いろいろ寝場所を探し歩いて、最終的にたどり着いたのは3階の出発ロビー。幸いにも早朝に出発する便があって、そういう便に乗る人達が座っていた場所がごっそり空いた。
朝6時を回る頃に起床。人も多いし、うるさくなっていたからだろうか。いや、猛烈な寒さのせいかもしれない。雨に備えて傘を出したり、寒さに備えて服を出したり、お土産をしまったりと寝ぼけた頭で荷物整理をしていると、目の前にも似たようなことをしている若者がいる。
大きなバックパックと、ノルウェイの森なんて本を持っている。僕も村上春樹の本を読みながら旅してきた。こんなにも似ている境遇の人がいるものか。「どこにいかれるんですか?」
彼は阪大の同い年の人で、これからノルウェーにオーロラを見に行くらしい。なんだかんだ、彼のチェックインまで1時間くらい喋り続けた。旅に出る前はブルーになる人が多いのか、「行きたくないですよー」なんて羨ましいことを言っている。
ノルウェーを目指す若者と裏腹に、僕は7時過ぎの京急に乗って帰宅。朝の東京の電車はいつも混んでいる。そんな電車に乗り込んでくる高校生は期末テストの時期。
見慣れた光景、見慣れた会話、そんな慣れ親しんだ光景もこんなに嬉しいものなのかと家路につきながら思う。海外に行くたびに日本ほどいい国はないと思う。帰って来た安心感に包まれて、一人だけ幸せな気分で満員電車に揺られる。
まとめ
これにて、東南アジア縦断一人旅はおしまいです。
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