
海外で夜行列車に乗ってみたい

タイの夜行列車ってどんな感じなの?

旅してる感を味わえる旅に出たい
こんな疑問にお答えします。
✔︎ 本記事の内容
・マレー鉄道とバスを乗り継いでクアラルンプールへ
Contents
この旅について

2019年2月、10日間で東南アジアをカンボジアからシンガポールまで南下する一人旅に出ました。予算は8万円くらいです。
今回は夜行列車、マレー鉄道、バスを乗り継いだバンコクからクアラルンプールまでの移動についてお話しします。
上の地図でCがバンコク、Dがパダン・べザール、Dの下の「ペナン」とあるあたりがバターワース、Eがクアラルンプールです。
夜行列車で国境のパダン・べザールへ

列車について

タイ国鉄のサイトから予約しました。960バーツ(3300-3400円くらい)でおよそ18時間の旅です。
旅行記
バンコクのターミナル駅、ファランポーンには12時半頃到着。この日記を書いたり、水シャワーに入ったり、食糧を買い込んだりして出発を待つ。この列車にシャワーはついていない。

ファランポーンは旅の始発駅に相応しい貫禄のある駅。高い屋根とずらっと広がる幾多ものホーム、そして旅立ちを待つ人の存在が旅情を掻き立てる。
45列車は12両編成。スンガイコーロック行きの列車とパダン・べザール行きの列車が途中のハジャイまで一緒で、それぞれに寝台と座席車があるから妥当なところか。食堂車もあるみたい。2号車に乗り込んで24番の寝台を探す。本を読みながら発車の時を待つ。

いよいよ発車。音もなく発車。味があっていいけれど、加速が鈍いにも程があるし全然進まない。一つ目の駅Sam Senですでに7分の遅れ。今後が危ぶまれる。少しずつ客を乗せてトロトロ走る。チャオプラヤ川を渡ると一気に郊外へ。音楽を聴きつつ、本を読みつつ、うたた寝しつつ、長いこと求めてきた旅情溢れる時間が流れる。ゆっくりと、でも確実に赤土の車道の脇の線路をひた走る。
ペチャブリーのあたりで日の入り。どこまでも、というわけではないが両脇にずっと田んぼの続く線路の向こうに夕焼けを拝む。夕焼けが沈みゆく山の向こうはミャンマーといったところ。するとベッドメイクが始まる。車掌さんがやってきて椅子をベッドに転換する。
そして食堂車へ向かう。座席車のドアはそもそもなくて、落ちたら終わりだと知っていても顔を出してみたくなる。ドアのついていない列車というとどこか遠く異国の光景を思い浮かべるが、今まさに自分がその光景の一部になっている。熱風だけれどもどこか気持ち良い風が吹き付ける。

130バーツ(450円くらい)の焼き肉ごはんを注文。食堂車には窓というものがないらしく、これまた熱帯の風を直に感じる。5年ぶりの食堂車の景色がずっと目に焼き付いているといいのだが。せめてこの風の気持ちよさだけでも。
22時を回る頃に早めの就寝を試みる。うるさい電車の揺れるベッドなのにいつの間にか眠っているから不思議である。眠れないと思っていた今日も、しっかり眠ってしまう。

いつの間にか日付が変わっていた。寝台特急で快眠できるかどうかと問われればそれは否であり、2時間に1度くらい駅に停まるたびに目を覚ますのが常である。闇の中を山も海も見えず駆け抜けて、少し明るみになっている駅に停まると目が醒める。
そんなことを3回か4回か繰り返し、6時半あたりで目が覚めた頃には空が明るみを帯び始めていた。また線路の脇には赤土の道。昨日と違うのは朝特有の静謐さというか、靄というか、朝の気持ち良さの源のようなものが目に見える。この中に入ったらどんな気分になるのだろうと想像しながら、座席車や食堂車と違って窓を開けることのできない寝台車の構造に少しがっかりする。

7時を回る頃には完全に日の出を迎えた。朝日が差し込んでくる。車掌さんがやってきて、ベッドが椅子に戻されてまた電車旅のスタート。昨日買っておいたパンを朝ごはんにし、また本を読みつつ微睡みつつ1時間くらい過ごすとハジャイ駅に到着。どうやら1時間程遅れての到着。ここでスンガイコーロック行きの電車と別れて、僕を乗せた列車は終着駅のパダン・べザールを目指す。
この辺りのタイ深南部と呼ばれる地域は渡航禁止警告が出るレベルには治安の悪いところらしい。タイ深南部のエリアもともとイスラム圏のマレーシア寄りの王国があったにも関わらず、タイに併合されてしまったのが原因だとか。ちょっと怖いし、遅れているのもあるしパダン・べザールに早く着いてくれることをひたすら願っていた。
タイ側のパダン・べザールに少々停車した後に出発。ノロノロと国境を越えてマレーシア側のパダン・べザールに到着。列車で国境を越える経験は初めてだった。あまり実感がない。

マレーシア側に着いてからは入国審査と出国審査がある。とはいえかなりガバガバなやつで、出国できなくなりそうだがスルーすることもできそうなレベル。タイ側、マレーシア側に1つずつしか窓口がなく、タイからマレーシアに行く人の流れがメインの時はマレーシアからタイに行く人は待たなければならず、また逆も然り。というわけで1時間ほど延着した上に更に待たされるという罠。入国できたのは10時半くらいだったと思う。
バターワースからクアラルンプールへ

列車・バスについて
列車
12時半頃パダン・べザールを出発し、14時半頃バターワースに着く列車で、300円ほどでした。今はこのダイヤはないみたいです。
バス
KBESという会社のバターワースを15時半に出発し、クアラルンプールに8時過ぎに到着するバスです。36リンギット(1000円くらい)でした。
旅行記
バターワースからゲマス行きに乗ればKL(クアラルンプール)まで行ける。切符があることを願いつつチケットカウンターに向かうが、KLまでのチケットは売り切れという表示が。順調だった旅もこれで終わりかと絶望した。
どうすれば今日中にKLまでたどり着けるだろうか。窓口で尋ねてみると、どうやら途中のバターワースでKL行きのバスに乗り換えれば行けるとのこと。
12時を回った頃にホームに降りて各駅停車が来るのを待つ。ここからは2時間の列車の旅。新しめで長い椅子が連なる、それこそ速めの山手線みたいな列車だったから列車という風格のあるものでもないけれど。
ヒジャブをまとった人が多いのを目にしてマレーシアがイスラムの国であることを再認識する。一面に畑が広がって、青い空がどこまでも続いて、所々ヤシの木が生えている土地を高速で駆け抜けていく。

バターワースに到着。バターワースはジョージタウンで有名なペナン島の入り口。今回は時間の都合行けないのが残念(結局この1年後に行くことになった)。
バターワース駅からバス乗り場までは歩いて5分もかからない。足早にチケットカウンターに寄り、KLセントラルまで行くバスのチケットを購入。残り数席というところでなんとか確保。バスなのに飛行機みたくチェックインカウンターがあり、搭乗口もしっかりしている。チケットをスキャンされて搭乗口へ。
何もアナウンスもないから本当にKLセントラルまでたどり着けるのかいささか不安。真ん中の席だから外もよく見えない。窓の隙間から外を伺いつつバスの旅を楽しむ。途中いわゆるスコールというやつに襲われる。道路が完全に冠水してしまうレベルの雨。当然怖いけれど東南アジア感があってこれはこれで面白い。

そしてサービスエリアらしきところで休憩。また走り始めて2時間くらい経つと、少しずつ近未来的な街の輝きが見えてくる。途中いくつかのバスターミナルに寄ってKLセントラルに到着。だいたいこの方角にあるだろうという勘を頼りにホテルを目指す。駅から近いホテルで助かった。
ホテルに荷物を置いて、ペトロナスツインタワーを見物しにKLCC(KLシティセンター、ショッピングセンター)を目指す。セントラル駅からLRTに乗ること10分、KLCC駅に到着。駅を出ると頭上にペトロナスツインタワーが聳える。

ペトロナスツインタワーに併設したご飯屋さんで夕飯。22時で終わりらしく、ほとんどの店が閉まりかけていたので、選択肢は限られてチキンライスをチョイス。200円くらい。激安。この旅で一番安いご飯だったかもしれない。なかなかに美味しかった。
続いて翌日はクアラルンプールを散歩し、その後バスでシンガポールを目指します。
続きも更新していきます。何かあればコメント、DMなどお気軽にどうぞ!
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